「赤字だから売れない」「債務超過はM&Aの対象外」と考える経営者は少なくありません。実際には、赤字や債務超過であっても会社売却(M&A)が成立するケースは存在し、とくに建設業では許認可・人材・地場ネットワークといった実務資産が評価されやすい傾向があります。本ページでは、赤字企業売却の判断軸、買い手が見るポイント、成功に向けた準備と注意点を建設業の現場感で整理します。
可否を分けるのは直近の損益ではなく、将来キャッシュフローを生む根拠が示せるかです。
買い手は、受注の再現性・人材の熟練度・機材やヤード等の活用度・許認可の維持可能性を総合評価します。
建設業では、許可・資格・経審実績・地域の取引関係が入札や指名継続に直結するため、赤字でも評価され得ます。
採用難の中で、現場を動かせるチームを一括確保できる即効性が大きな動機になります。
地場色の強い業界特性上、地域ネットワークを伴う参入近道としてM&Aを選ぶ企業が増えています。
自力で積み上げると時間がかかるため、経審点数や過去実績の継承による参入加速を狙います。
粉飾のない実態把握を示し、重機・車両・ヤード・リース・担保の一覧化で交渉をスムーズにします。
許可区分・更新時期・専任技術者、経審、主要工種の実績を一枚で俯瞰できる資料にし、現場標準や安全品質の運用も提示します。
スキーム選択と債権者調整が肝となるため、初期段階からの専門家チーム編成が成功確率を高めます。
株式譲渡なら包括承継、事業譲渡なら選別承継となるため、未成工事支出金や偶発債務の扱いに注意が必要です。
借入継続条件や保証解除の可否、リスケ・借換方針を早期に協議し、主要債権者の同意形成を図ります。
価値の源泉は人と関係性にあるため、雇用維持方針・現場運営・契約手続きを分かりやすく伝えます。
地方で公共工事を主力としていた中小建設会社が資金繰り悪化に直面したものの、地場ネットワークと監督人材の厚みを評価され、近隣の同業グループへ譲渡された例があります。
譲受側は不足していた現場管理体制と許可要件を補完でき、売却側は債務整理と雇用維持を同時に達成。結果として、地域案件の継続と品質の維持が実現しました。
多くのケースで、債務整理とM&Aを並走させる再生スキームが採られます。金融機関との条件変更や一部債権放棄で実質的な財務改善を行い、譲渡を成立させます。
また、事業譲渡により必要資産・人材のみを移す方法も有効で、許可・資格・現場体制の継続性を確保できれば成立可能性は高まります。
再生型M&Aとは、経営難企業を引き継ぎ再建を目指す手法で、債権者調整や体質改善を伴う点が特徴です。黒字企業の拡大を目的とする通常M&Aとは目的や進め方が異なります。
赤字や債務超過でも、会社売却の可能性は十分にあります。とくに建設業では、許可・人材・地場ネットワークが実態価値として評価され、買い手が見つかる例は少なくありません。重要なのは、企業価値を正確に伝えることと、専門家の支援を早期に受けることです。準備と説明責任を尽くし、関係者の信頼を確保しながら進めましょう。
建設業の事業承継は誰に相談するかが重要な鍵を握ります。
企業の求める承継の形を実現してくれる相談先を目的別に紹介します。


※相談やマッチング
機能利用は無料

※1参照元:M&Aフォース(https://www.ma-force.co.jp/consultant/)
※2参照元:Career Ladder(https://careerladder.jp/blog/ranking/)
※3参照元:日本M&Aセンター(https://recruit.nihon-ma.co.jp/about-us/data-overview/)
※4参照元:日本M&Aセンター(https://www.nihon-ma.co.jp/groups/message.html)
※日本M&Aセンター費用の参照元https://www.nihon-ma.co.jp/service/fee/convey.html
※5参照元:トランビ(https://www.tranbi.com/)