設備工事業の事業承継事例

目次

本記事では、設備工事業界における実際の事業承継(M&A)の事例を紹介し、会社と従業員を守りながら発展させるためのポイントを解説します。

設備工事業とは?業種の特徴と
市場動向

設備工事業は、建物に命を吹き込む仕事と言われます。主な業種として、電気工事業、管工事業(空調・給排水)、電気通信工事業、消防施設工事業などが挙げられます。

近年は新設工事だけでなく、高度経済成長期に建てられた建物の老朽化に伴うリニューアル工事やメンテナンス需要(ストック市場)が拡大しています。また、省エネ化やDX対応といった新しい技術への対応も求められており、高度な技術を持つ企業の価値は高まっています。

参照元:M&Aフォース「設備工事のM&A事例10選」(https://www.ma-force.co.jp/columns/industries-ma/2668/

設備工事業における事業承継の
実態と傾向

設備工事業界の事業承継における最大の課題は、「施工管理技士」などの有資格者の確保です。経営者が交代しても、現場を管理できる資格者がいなければ、工事を受注・施工することができません。

そのため、親族への承継だけでなく、資格者を多く抱える同業他社や、内製化を進めたい総合建設業(ゼネコン)とのM&Aが活発に行われています。エリアをまたいだ広域的なM&Aも増えており、人手不足を解消するための戦略的な手段として定着しつつあります。

参照元:日本M&Aセンター「設備工事・職別工事業界のM&Aと事業承継の動向」(https://www.nihon-ma.co.jp/sector/otherEquipmentWork.php

設備工事業の事業承継事例

ここでは、設備工事業におけるM&Aの成功事例を3つ紹介します。後継者問題の解決だけでなく、事業の成長につながったケースを見ていきましょう。

【成功事例①:電気通信工事
×同業種(エリア拡大)】

概要 地方の電気通信工事A社(売上2億円)が、隣接県の同業B社へ譲渡
課題 社長の高齢化と後継者不在、採用難による技術者不足
結果 B社は商圏を拡大し、A社は廃業を回避。スケールメリットを活かした資材調達が可能に。

詳細

A社は地域に密着した優良企業でしたが、若手採用に苦戦していました。B社と一緒になることで、採用活動を共同で行えるようになり、人材の流動的な配置が可能になりました。社長は顧問として残り、緩やかに引継ぎを行いました。

参照元:M&Aフォース「設備工事のM&A事例10選」(https://www.ma-force.co.jp/columns/industries-ma/2668/

【成功事例②:空調・給排水
×総合建設業(内製化)】

概要 管工事会社C社(売上5億円)が、地場の総合建設会社D社グループ入り
課題 元請けからの受注競争激化と、単独での資金繰りの限界
結果 D社の設備部門として機能することで、安定した工事量を確保。経営基盤が安定した。

詳細

D社にとっては、これまで外注していた設備工事を内製化できるメリットがありました。C社従業員はD社の福利厚生を受けられるようになり、待遇改善によって離職率が低下しました。

参照元:日本M&Aセンター「設備工事・職別工事業界のM&Aと事業承継の動向」(https://www.nihon-ma.co.jp/sector/otherEquipmentWork.php

【成功事例③:消防設備
×ビルメンテナンス業(シナジー)】

概要 消防設備点検・工事E社(売上1.5億円)が、ビルメン会社F社へ譲渡
課題 点検業務がメインで、工事案件の対応力が不足していた
結果 F社の管理物件の設備工事をE社が一手に引き受けることで、売上が倍増。

詳細

ビルメンテナンス業と設備工事業は非常に相性が良く、クロスセル(相互送客)によるシナジー効果が高い事例です。E社の技術力とF社の顧客基盤が組み合わさり、両社の成長につながりました。

参照元:M&Aロイヤルアドバイザリー「設備工事業界のM&A事例10選」(https://ma-la.co.jp/industry/installation_work/

事例から学ぶ設備工事業の
承継成功のポイント

設備工事業のM&A・事業承継を成功させるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

有資格者(キーマン)の引継ぎを最優先に

建設業許可の要件となる資格者や、現場を回せるベテラン社員は会社の宝です。M&Aの検討段階から、彼らが安心して働ける環境(待遇維持やキャリアパス)を提示し、離職を防ぐ対策が必要です。

未成工事(仕掛品)の適切な評価

設備工事は工期が長い案件も多く、決算期をまたぐ「未成工事」が発生します。M&Aの価格算定において、これらをどう評価し、どちらがリスクを負担するかを明確に取り決めておくことで、譲渡後のトラブルを回避できます。

協力会社との関係維持

自社だけでなく、信頼できる外注先(一人親方や専門業者)のネットワークも重要な資産です。経営者が変わっても取引を継続してもらえるよう、丁寧な説明と関係構築が求められます。

まとめ

設備工事業の事業承継は、単なる経営者の交代ではなく、技術と信頼を次世代につなぐ重要なプロセスです。自社の強み(資格者、顧客、技術力)を正しく評価してくれる相手を見つけることが成功への第一歩です。

「廃業しかない」と諦める前に、まずは専門家に相談し、M&Aによる存続の可能性を探ってみてはいかがでしょうか。

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引用元:M&Aフォース(https://www.ma-force.co.jp/)
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引用元:日本M&Aセンター(https://www.nihon-ma.co.jp/)
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しんきんトランビプラス
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引用元:しんきんトランビプラス(https://shinkin.tranbi.com/)
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利用するデメリット
  • 買い手が適正なのかどうかは自社での見極めもしくは相談先を別途確保する必要がある
料金
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※1参照元:M&Aフォース(https://www.ma-force.co.jp/consultant/
※2参照元:Career Ladder(https://careerladder.jp/blog/ranking/
※3参照元:日本M&Aセンター(https://recruit.nihon-ma.co.jp/about-us/data-overview/
※4参照元:日本M&Aセンター(https://www.nihon-ma.co.jp/groups/message.html
※日本M&Aセンター費用の参照元https://www.nihon-ma.co.jp/service/fee/convey.html
※5参照元:トランビ(https://www.tranbi.com/