建設業のM&Aでは、仲介会社の手数料体系を理解しないまま契約すると、想定外の費用負担につながることがあります。着手金や中間金、成功報酬の違いを把握し、自社に合う相談先を選ぶことが大切です。
建設業M&Aで発生する費用は、仲介会社へ支払う報酬だけではありません。相談段階から成約までの各工程で、どの費用がいつ発生するのかを確認しておく必要があります。
相談料は、M&Aの初回相談や概算評価を受ける際に発生する費用です。近年は初回相談を無料とする仲介会社も多く、検討段階では費用をかけずに情報収集できるケースがあります。
一方、着手金は仲介契約を結ぶタイミングで支払う費用です。買い手候補の探索や企業概要書の作成、初期的な企業価値評価などに充てられることが多く、成約しなかった場合でも返金されない契約が一般的です。そのため、着手金がある会社を選ぶ場合は、支払後にどこまで対応してもらえるのかを契約前に確認しましょう。
中間金は、基本合意書の締結時など、M&Aが一定段階まで進んだ時点で発生する費用です。成約前に支払うため、デューデリジェンス後に条件が合わず破談になった場合でも、返金されないことがあります。
月額報酬はリテイナーフィーとも呼ばれ、契約期間中に毎月発生する費用です。継続的な支援を受けられる一方で、買い手探しが長期化すると累積費用が大きくなる点に注意が必要です。
成功報酬は、最終契約の締結やクロージングが完了した時点で発生する報酬です。多くの仲介会社では、取引金額に応じて料率を変えるレーマン方式が採用されています。
一般的には、5億円以下の部分は5%、5億円超〜10億円以下の部分は4%、10億円超〜50億円以下の部分は3%といった段階的な料率が使われます。ただし、算定基準が譲渡価格ベースなのか、負債などを含む移動総資産ベースなのかによって、最終的な手数料は変わります。
手数料に関する失敗は、金額の高低だけでなく、契約前の確認不足によって起こります。特に建設業では、許可や技術者、未成工事、下請契約など確認項目が多いため、費用の発生条件を細かく把握しておくことが重要です。
着手金倒れとは、着手金を支払ったものの、買い手候補が見つからず、成約に至らないまま費用だけが発生してしまう状態です。特に地方の建設会社や専門工事業では、買い手候補の条件が限られることもあり、探索力の弱い仲介会社に依頼すると進展しにくい場合があります。
着手金があること自体が問題ではありません。しかし、候補先の探索方法、紹介予定先の範囲、進捗報告の頻度が曖昧なまま契約すると、費用対効果を判断しにくくなります。
レーマン方式の料率だけを見ると、手数料を低く見積もってしまうことがあります。例えば譲渡価格が8,000万円で成功報酬率が5%なら、単純計算では400万円です。しかし、契約書に最低報酬額500万円と記載されていれば、実際には500万円が適用されます。
小規模な建設会社ほど、最低報酬額の影響を受けやすくなります。売却価格に対する実質的な手数料率が高くなる場合もあるため、料率だけでなく、最低報酬額を含めた総額で比較することが必要です。
仲介手数料とは別に、企業価値評価、契約書作成、登記、デューデリジェンス対応、出張費などが発生する場合があります。建設業では、建設業許可の承継可否、技術者配置、工事請負契約の引き継ぎ、保証責任などを確認する必要があり、専門家費用が別途必要になることもあります。
失敗を防ぐには、契約前に成功報酬に含まれる業務と別途請求される業務を分けて確認することが欠かせません。見積書や契約書に書かれていない費用は、口頭説明だけで済ませず、書面で残しておきましょう。
M&A仲介会社の手数料体系は、大きく分けると着手金ありのタイプと完全成功報酬型に分けられます。どちらにも特徴があるため、自社の資金状況や売却可能性に応じて選ぶことが大切です。
着手金ありの会社は、契約直後から資料作成や候補先調査に人員を投入しやすい傾向があります。専任担当者がつき、定期的な進捗報告や資料整備を受けられる場合もあります。
一方で、成約しなくても費用が発生する点はデメリットです。建設業M&Aでは、買い手が許可・技術者・受注状況を慎重に確認するため、途中で条件が合わなくなるケースもあります。初期費用を支払う前に、成約可能性の見立てと支援範囲を確認しましょう。
完全成功報酬型は、成約するまで着手金や中間金が発生しない料金体系です。初期費用を抑えてM&Aを検討できるため、まず自社の企業価値や買い手候補の有無を知りたい経営者に向いています。
また、仲介会社側は成約しなければ報酬を得られないため、買い手探しや条件調整に注力しやすい構造です。これは、成約させる見込みがある案件に力を入れる仕組みともいえます。
ただし、完全成功報酬型でも成功報酬の料率、最低報酬額、実費の扱いは会社ごとに異なります。無料という言葉だけで判断せず、成約時にいくら支払うのかを必ず確認しましょう。
手数料体系を比較する際は、着手金の有無だけでなく、成約までに支払う可能性がある総額で判断することが重要です。着手金が安くても月額報酬や中間金がかかる場合もあれば、完全成功報酬型でも最低報酬額が高い場合があります。
比較時には、相談料、着手金、中間金、月額報酬、成功報酬、最低報酬額、実費を一覧にし、自社の想定譲渡額でシミュレーションしておきましょう。
建設業M&Aで手数料の失敗を避けるには、料金の安さだけでなく、建設業への理解や契約条件の明瞭さを確認する必要があります。費用を抑えても、買い手選定や条件交渉が不十分であれば、結果的に損失が大きくなる可能性があります。
まず確認したいのは、料金体系が契約前に明示されているかです。レーマン方式の料率表、報酬の算定基準、最低報酬額、別途費用の有無が書面で提示されている会社を選びましょう。
中小企業庁の中小M&Aガイドラインでも、仲介者・FAの手数料について、基準となる価額の考え方や報酬額の目安を確認することが重要とされています。口頭説明だけで判断せず、契約書と重要事項説明を照らし合わせることが大切です。
建設業のM&Aでは、一般的な財務内容だけでなく、建設業許可、専任技術者、監理技術者、工事請負契約、元請・下請関係、公共工事の入札資格などを踏まえた判断が必要です。
そのため、建設業の支援実績がある仲介会社を選ぶと、買い手候補の選定や条件交渉を進めやすくなります。実績を見る際は、単に成約件数だけでなく、どの業種の建設会社を支援したか、どのような承継課題に対応したかまで確認しましょう。
M&Aを検討し始めた段階では、自社がいくらで評価されるのか、買い手が見つかるのかを判断できない経営者も多いでしょう。その段階で着手金を支払うと、成約可能性が見えないまま費用だけが先行する可能性があります。
完全成功報酬型であれば、成約前の費用負担を抑えながら、企業価値の見立てや買い手候補の可能性を確認できます。着手金が無料で成り立つ会社は、成約時の成功報酬で収益を得るモデルであり、成約に向けて動く理由が明確です。
例えばM&Aフォースは、相談料・着手金・中間金が無料で、成功報酬は完全成功報酬型とされています。建設業の経営者がまず自社の価値を知り、費用負担を抑えて検討を始める選択肢として比較対象に入れやすい会社です。
建設業M&Aの手数料で失敗しないためには、着手金や中間金の有無、成功報酬の算定基準、最低報酬額、追加費用を契約前に確認することが重要です。特に初期段階では、成約可能性が見えないまま費用を支払うリスクを避けるため、完全成功報酬型の仲介会社を比較対象に入れると検討しやすくなります。まずは自社の価値や買い手候補の可能性を把握し、納得できる条件で進めましょう。
建設業の事業承継は誰に相談するかが重要な鍵を握ります。
企業の求める承継の形を実現してくれる相談先を目的別に紹介します。


※相談やマッチング
機能利用は無料

※1参照元:M&Aフォース(https://www.ma-force.co.jp/consultant/)
※2参照元:Career Ladder(https://careerladder.jp/blog/ranking/)
※3参照元:日本M&Aセンター(https://recruit.nihon-ma.co.jp/about-us/data-overview/)
※4参照元:日本M&Aセンター(https://www.nihon-ma.co.jp/groups/message.html)
※日本M&Aセンター費用の参照元https://www.nihon-ma.co.jp/service/fee/convey.html
※5参照元:トランビ(https://www.tranbi.com/)