事業承継・M&Aが経営事項審査(経審)に与える影響

目次

公共工事の入札に参加する建設業者にとって、「経営事項審査(経審)」の点数は会社の生命線です。後継者不在の解決策としてM&A(第三者承継)を選択する企業が増えていますが、経審への影響を考慮せずに進めると、買収後に会社の価値が激変してしまうリスクがあります。

本記事では、事業承継が経審の点数や入札資格に与える影響を解説し、財務面だけでなく「実務的な評価」を維持するための専門家選びの重要性について客観的に紐解きます。

なぜ事業承継(M&A)で
経営事項審査(経審)の点数が変動するのか?

経審は、建設業者の経営状況や技術力、社会性などを客観的に数値化する制度です。事業承継によって経営体制や組織が変わると、評価項目に直接的な影響が及びます。

経審の評価項目と事業承継の深い関係

経審の総合評定値(P点)は、経営状況(Y)、経営規模(X)、技術力(Z)、その他の審査項目(W)という4つの要素から算出されます。

事業承継により、資本金の額や売却後の資金調達環境が変わる(Xに影響する)だけでなく、経営陣の刷新や組織の再編によって、技術力(Z)や社会性(W)の項目にも大きな変動が生じるため、承継前後での入念なシミュレーションが不可欠となります。

経営体制の変更に紐づく「属人的な評価要素」

特に影響を受けやすいのが、技術力(Z点)における「技術職員数」です。M&Aの実施に伴い、これまで点数を支えていた高齢のベテラン技術者や経営者が引退・退職した場合、その有資格者分の点数がそのまま喪失します。

また、その他の審査項目(W点)における「建設業の営業年数」や各種表彰の実績なども、承継の手法(スキーム)によっては引き継げないケースがあるため注意が必要です。

【よくある失敗パターン】
財務評価だけで進めたM&Aが招く「経審点数の暴落」

一般的なM&Aでは、貸借対照表や損益計算書といった「財務諸表」をベースに企業価値を算出します。しかし、建設業特有の経審ロジックを無視して財務評価だけでマッチングを進めると、買収後に思わぬ事態を引き起こすことがあります。

買収後に公共工事の入札格付けが下がる「想定ケース」

よくある展開として、売上や利益が順調で、買い手企業からも高く評価されてM&Aが成立した地方の土木工事業者のケースが挙げられます。財務的な条件は完璧にクリアし、経営権の移転もスムーズに完了したように見えました。

しかし、経営体制の変更に伴って元経営者(技術責任者を兼任)を含む数名のキーマンが退職した結果、直後の経審で技術職員数が大幅に減少。経審の点数が数十点も暴落し、自治体の入札格付け(ランク)がAからBに落ちてしまったというリスクパターンです。

原因:アドバイザーによる「経審シミュレーション」の欠如

こうしたトラブルの根底にあるのは、M&Aを主導した仲介会社のアドバイザーが「高く売ること(財務的な評価)」のプロであっても、「経審の点数を維持・向上させること(実務的な評価)」の知見が乏しかった点にあります。

一般のM&A仲介会社では、譲渡後の技術職員の常勤性維持や、資格の組み合わせによるP点への影響度まで細かく計算してマッチングを行うことはほとんどありません。そのため、経営体制が変わった後のリアルな入札資格への影響を見落としたまま進めてしまうのです。

結果:受注機会の損失と、会社価値の急落

入札格付けランクが下がると、これまで受注できていた規模の公共工事に応募すらできなくなります。公共工事をメインストリームとしていた会社にとっては、売上基盤そのものが崩壊することを意味します。

買い手企業にとっても、期待していた受注能力(インフラ)が手に入らなかったことになり、結果として買収後の会社価値が暴落。売り手・買い手双方にとって「こんなはずではなかった」という最悪の結果を招いてしまいます。

一般のM&A仲介会社が
「経審の維持・向上」を苦手とする理由

なぜ、一般的なM&A仲介会社では経審を見据えた適切な事業承継が難しいのでしょうか。それには構造的な理由があります。

公共工事メインの会社が
事業承継を成功させるための「防衛策」

経審の点数を維持し、これまで培ってきた入札資格を守り抜くためには、経営者自身が以下の防衛策を意識する必要があります。

事前に承継後の経審点数を正確にシミュレーションする

M&Aの交渉を進める段階で、買い手企業と統合した後に「自社の経審点数がどう変動するか」を、事前にシミュレーションしておくことが絶対条件です。有資格者の常勤性や、買い手側の財務体制を合算した際の新P点を割り出し、入札格付けランクが維持できるかを確認してから最終契約を結ぶ必要があります。

【結論】経審への影響を熟知した「建設業専門の仲介会社」を選ぶ

最大の防衛策は、単に買い手を見つけるだけでなく、最初から建設業の経審や許認可に強い専門の仲介会社をパートナーに選ぶことです。

建設業界のビジネスと法制度の双方に精通しているプロであれば、財務的な価値の最大化と並行して、譲渡後の経審点数の維持・向上プランを具体的に提示できるため、買収後の価値暴落リスクを確実に防ぐことができます。

失敗しない!経審維持を見据えた
アドバイザー選びのチェックポイント

公共工事主体の建設業者が、事業承継で失敗しないためのアドバイザー選びの基準は以下の3点です。

まとめ

公共工事をメインとする建設業の事業承継は、一般的な企業M&Aに比べて「経審点数と入札資格の維持」という非常に高いハードルが存在します。

一般的な仲介会社が提示する「高値売却」の条件だけに目を奪われ、経審への配慮を怠ってしまうと、結果として買収後に会社価値が暴落し、大切な従業員の雇用や地域インフラを守れなくなる恐れがあります。

だからこそ、最初から「建設業の経営実務と経審」を熟知したプロフェッショナルに相談することが不可欠です。まずは自社の経審点数が承継後にどうなるのか、専門的な視点から診断してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

当サイトでは、建設業の特性や経審制度を深く理解し、確かな成約実績を持つ相談先を厳選して紹介しています。大切な会社の未来を守るために、まずは実績豊富なプロの知恵を借りるのが成功への確実な一歩です。

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建設業の事業承継は誰に相談するかが重要な鍵を握ります。
企業の求める承継の形を実現してくれる相談先を目的別に紹介します。

業界の承継事情を熟知
した
専門家に相談できる
M&Aフォース
M&Aフォース
引用元:M&Aフォース(https://www.ma-force.co.jp/)
利用するメリット
  • M&A成約件数30件以上※1(2025年6月時点)、かつ建設業のM&A成約経験を持つベテランコンサルタントが必ずチームに参画
  • 事業の強みを把握し、シナジーを得られる企業に営業をかける受注販売のようなM&Aを採用。自社の良さを引き継ぐ同業での承継が実現しやすい
利用するデメリット
  • 少数精鋭で運営しているため、対応できる案件数には限りがある可能性が高い
料金
着手金なし完全成果報酬
   
M&A売上No.1
企業に相談できる
日本M&Aセンター
日本M&Aセンター
引用元:日本M&Aセンター(https://www.nihon-ma.co.jp/)
利用するメリット
         
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利用するデメリット
         
  • 業界最多のコンサルタント人数716名※4(2025年3月末時点)のため、どのような経験を持つコンサルタントがつくのかがわからない
料金
着手金100万~+成果報酬

※相談やマッチング
機能利用は無料

承継先を自分で
探すことができる
しんきんトランビプラス
しんきんトランビプラス
引用元:しんきんトランビプラス(https://shinkin.tranbi.com/)
利用するメリット
         
  • 会員数20万人以上※5のM&Aマッチングサイトを活用し、自分自身で納得する相手を探すことができる
  • マッチング後のサポートは懇意にしている信用金庫を通すことができる安心感
利用するデメリット
  • 買い手が適正なのかどうかは自社での見極めもしくは相談先を別途確保する必要がある
料金
売り手は完全無料

※1参照元:M&Aフォース(https://www.ma-force.co.jp/consultant/
※2参照元:Career Ladder(https://careerladder.jp/blog/ranking/
※3参照元:日本M&Aセンター(https://recruit.nihon-ma.co.jp/about-us/data-overview/
※4参照元:日本M&Aセンター(https://www.nihon-ma.co.jp/groups/message.html
※日本M&Aセンター費用の参照元https://www.nihon-ma.co.jp/service/fee/convey.html
※5参照元:トランビ(https://www.tranbi.com/